研究設備

合成部屋

 新しいモノマーの合成や、合成した高分子の精製、官能基変換反応などを行う部屋です。対面式ドラフトと片面式ドラフトをそれぞれ2台備えています。

ガラス細工部屋

 研究に使うパイレックス製の実験装置をガラス細工で組み上げます。座って用いるデスクバーナーと、立ちながら用いるハンドバーナーの2種類をうまく使いこなして全ガラス製装置を完成させ、廊下を挟んですぐ反対側の部屋にある真空ラインに持っていきます。

真空ライン

 ロータリーポンプと、油拡散ポンプの2つのポンプを組み合わせ、ガラス製装置の内部を真空状態(~10-6 mmHg)にします。水や空気を完全に排除した条件で実験を行いたいとき、この真空ラインを用い真空にした反応器内で、化合物の精製、調製、反応を行います。

核磁気共鳴 (JEOL JNM-AL400)

 合成した新規化合物の構造決定や反応の追跡になくてはならない装置です。NMR室は東2号館の1階に位置しており、サンプルが出来上がり次第即座に測定できます。建物は異なりますが、大変近くにあるため気軽に利用することができます。

ガスクロマトグラフィー (Shimadzu GC-2014)

 簡便に有機化合物の分離分析、定量分析が行えます。反応の進行や化合物の純度の確認などに用いています。最近キャピラリーカラムを買い替えたので、より快適な合成ライフが送れるようになりました。

フーリエ変換赤外分光光度計 (Jasco FT/IR-4100)

 有機化合物の赤外領域の吸収スペクトルを得ることができます。サンプルの官能基検出やポリマーの高次構造解析に用います。

可視・紫外分光光度計 (Jasco V-550)

 有機化合物の可視・紫外領域の吸収スペクトルを得ることができます。本研究室では、特殊な手法として水溶性高分子の曇点測定にも用いています。

示差走査熱量測定 (SII DSC6220)
熱重量測定 (SII TG/DTA6200)

 DSCは、ガラス転移温度、融解温度、結晶化温度などが求められる熱分析装置です。ポリマーの熱的性質を調べるほか、低分子化合物の融点測定などにも用いることがあります。
 TGAはサンプルを加熱した際の重量変化や簡易的な熱収支を求められる熱分析装置です。ポリマーの安定性や熱分解挙動を調べることができます。

粘度計付きGPC (Viscotek TDA 302, 305)

 示差屈折計、光散乱光度計、粘度計の3つの検出器を併せ持つGPC装置です。GPCは最も代表的な相対的分子量測定法で、簡便に高分子の分子量、分子量分布が測定できます。現在、本研究室ではTHF溶媒用のGPCが2台(高分子量対応と低分子量対応)とDMF溶媒用のGPCが1台、合計3台が稼動しています。本研究室の命綱です。

分取用GPC (KNAUER Smartline Pump1050)

 GPC装置は分析だけでなく、分離操作にも用いることができます。分子量(溶出時間)の違いによって、混合物から分岐高分子の単離などができます。

TLC-FID (Iatroscan MK-5)

 薄層クロマトグラフィー(TLC)は簡便な定性分析として知られています。その原理を利用したTLC-FIDは、定量分析が可能な分析装置です。シリカゲルが塗布された石英ロッド上で対象物を展開させ、水素炎で燃焼させながら、FID検出器でクロマトグラムに変換します。